精神障がい者向け就労継続支援A型事業所(横浜市)を運営している株式会社ファムロード
令和7年度 防災訓練-AED講習実施-
ファムロード日野南では、令和7年度の防災訓練を行いました。例年、一時避難場所の日野南小学校の場所を確認しながら徒歩で移動するのが慣例でしたが、今回は横浜消防局から4名の消防士の方よりAEDを使っての救命講習を行いました。
今や救命措置においてなくてはならないAED。駅や複合施設など至るところにAEDが備わっていますが、いざ目の前で人が倒れた光景を見ると、急な出来事で冷静に行動できずにパニック状態になる傾向が多い現状です。今回の講習ではAEDの使い方だけではなく救急隊が来るまでの間、救命措置の流れを掴み、命をどう繋いでいくかを学んでいきます。
講習会は4班に分かれて実施、人が倒れているのを発見してから救急隊が到着するまでの救命措置を流れを学びます。まず、人が倒れているのを発見した場合、すぐには行わずまずは応答があるか声かけを行います。これは、泥酔・爆睡によって倒れているあるいは偶然かがんでいるケースもあることから、まず反応があるか確認を行うべく3回声のトーンを上げ、肩をたたきながら呼び掛けていきます。
呼びかけに反応がなかった場合、近くにいる人に助力してもらうよう呼び掛けてAEDを持ってくる、119番に通報するといった指示を出していきます。総務省消防庁による「令和6年版 救急・救助の現況」の公表によると現場到着所要時間、即ち119番通報を受けてから現場に到着するまでに要した時間の平均は約10分となっており、この10分の間で的確な措置を行わなければ蘇生率が低下していくことになります。
一般的な蘇生措置としてまず呼吸があるか胸辺りを確認(呼吸時に胸が膨らんでいるか)、呼吸がなければ胸骨圧迫(所謂心臓マッサージ)を一定のテンポ(1分間で100~120回を目安に)を取りつつ、真っすぐ両肘を伸ばして真上から垂直方向に胸が約5cm沈み込む強さで圧迫を行います。以前は人工呼吸も含まれていましたが胸骨圧迫だけでも十分に蘇生できること、加えてコロナ禍を経ての感染リスクや、そもそも知らない人への人工呼吸による抵抗もあることから最近では省略しても良いとなっています。
AEDが持ってこられたらまずAEDを使うかを確認、使う場合はAEDの電源を起動して指示に従って準備を行います(この間も胸骨圧迫は指示が出るまで中断せず続けます)。講習用で使用したAEDは電極プラグを装着するタイプのもので、心臓を挟み込むように2枚のパッドを張り付け、解析したうえでボタンで電気ショックを与えるものとなっておりますが、最近ではケースを開いた瞬間から電源が入るもの、電極が一体化しているものなど色んなタイプが存在しています。
各班、救命役・通報役・AED用意役とローテーションをして一通りの流れを掴んでいき、いよいよ実践編として実際に救急隊が到着するまでの10分間を測った状態で蘇生措置のデモンストレーションを行いました。
開始直後は順調に胸骨圧迫をしてきたものの、数十秒もたつと押し込みが弱くなったり肘が曲がってきたりと疲れが出てくるため、一定のタイミングごとに交代して胸骨圧迫を続けていきました。
今回は防災訓練の一環としてAEDを用いた救命講習を行いましたが、もちろん災害だけでなく、重大な事件・事故などに巻き込まれてAEDを使うケースが見られます。2022年の日本赤十字社による「一次救命処置に関する認知や行動、社会情勢を背景とした意識変化などを把握する調査」によれば、回答者の8割が「心臓マッサージやAEDを用いた一次救命処置ができることは必要」と回答した一方、実際に一次救命処置が必要な場面に遭遇しても「実践できないと思う」と5割近くの回答があり、その理由として「何をすればいいかわからない」「とっさにやり方を思い出せない」「自分が対処した相手が死亡したり状態が悪化したりすると怖い」といった回答が多く見られました。今回の講習はそういった非常時にも落ち着いて救命措置を行うにはどう行動し、目の前の命という襷を繋げていくかを学ぶ大変良い機会になったと思います。